1/1000秒速く走るために走り続けるF1。車体、メカニック、タイヤ、ドライバー、燃料、コースコンディション、ダウンフォース。さまざまな要素が複雑に絡んでいるモータースポーツ。車体、プログラム、タイヤ、バッテリー、コースコンディションって考えると、マイコンカーと似てるのかな。
 F1のメカニックは、ドライバーに合わせて走りやすいセッティングをするのが基本なんだけど、ドライバーの意見を聞いたり、データを分析してセッティングが出来る。でも、マイコンカーに載ってる、H8は喋らない。命令どうりに動くだけの平べったい基板に過ぎない。
 だったらどうするのか?ひたすら、ログを採って解析して、車体に応じたたベストなセッティングを導き出すしかない。自分だけの勝利への方程式を。何時間かかっても良い。絶対に答えは出るはず。
 でも、一番大切なのは、何よりも車が好きで思いっきり楽しめるかってことじゃなぃかな。たとえ、走らなくても、壊れても、負けても、動かなくても、修理して、改良して、研究してどんどん進化させていく。これが半端なく辛いけど、面白い。
 最近、部の雰囲気がめっちゃ良い。1年前、1つ上の先輩が皆辞め、頼りの顧問の先生に見放され、一人になってしまったときには今の自分は想像もつかなかった。でも、絶対に自分の選んだ道は正しいって言い続けてきた。そして、絶対に速くなるんだと。自分が努力した分だけ正直に車は走ってくれる。
 今度の大会では、初の団体戦にも出場できる。県大会が終わったら、自分の車は全て公開するつもりだ。そこがF1と違うとこ。マイコンカーはいろんな技術が公開されて、皆がお互いに競い合って、勉強し合って、進化してきたんだから。技術に年齢や性別や地位やお金なんて関係ない。そぅあるべきだと思う。
 BAR HONDAの車のリアウィングにこんな言葉が書いてある。
 「Don't Walk」
 1/1000秒速く走る続けるために自分の挑戦は終わらない。